教科書で習ったアメリカの歴史は実はすべてが真実ではありません。そのことがわかる本が「嘘だらけの日米近現代史/倉山満 (扶桑社新書)」です。
目次
教科書的なアメリカ史の嘘がわかる
アメリカという国の性質や、辿ってきた歴史がわかりやすく書かれている本です。これを読むと学校教育で教わってきた「教科書的なアメリカ史」がいかに嘘だらけであるかということがわかります。
また、歴史的事実として思い込まされていたけれど実際は違った、という発見もあります。
例えば、「アメリカ合衆国の初代大統領はジョージ・ワシントンだ」ということです。歴史に詳しい人は既知の事実なのかもしれませんが、この本を読むまでは、アメリカという一つの国家の初代大統領がジョージ・ワシントンなのだと思っていました。
しかし、実はジョージ・ワシントンの頃のアメリカは13個の州の連合体で、一つの国家とは言えないそうです。今でいうところのEUみたいなものです。南北戦争が終結した第16代大統領のエイブラハム・リンカーンの時代に、現在のような一つの国家「合衆国」になったそうです。
アメリカの法則
日本人が抱いているアメリカコンプレックスを払拭しよう、というのがこの本のコンセプトの一つです。
アメリカという国の本質は、本書に書かれているアメリカの法則
①アメリカはバカ!、②アメリカはヘタレ!、③でも、やるときはやる!
に集約されていました。
アメリカ人は本質的に臆病な部分があるそうです。大東亜戦争後の占領政策で日本を徹底的に弱体化したり、日本の核武装を絶対に認めない姿勢も日本に復讐されるのが怖くて仕方がないことの表れだそうです。
また、アメリカ軍といえば誰もが認める世界最強の軍隊ですが、アメリカの軍事力は破壊力(destructive power)はあるが、占有力(occupational power)が極端に弱い点も注目すべき点です。これはイラク戦争の失敗を見ても明らかですね。
アメリカとの正しい付き合い方を学ぶ
大東亜戦争の貴重な教訓として挙げられることの一つが、
アメリカと中国を同時に敵に回してはいけない
です。「アメリカと中国は対立させておく」ということが日本の最も重要な外交方針の一つだと思います。
本来であれば戦前のように軍事力を背景とした独自の外交戦略で、アメリカや中国と付き合っていくべきですが、今の日本は安全保障をすべてアメリカに依存している状況なので、それは難しいでしょう。
しかし、現在の国際社会はアメリカの覇権に中国が挑戦する米中対立の状況がずっと続いています。この先、アメリカが共和党政権であろうと民主党政権であろうと、どちらか一方が倒れるまでこの構図は続いていくんじゃないかと思います。
そしてこの状況は安全保障の観点からみると日本にとって決して悪くないと思います。
先日、戦略に関する本を読みましたが、戦争になったときに戦略上最も大切なことは「同盟」なのだそうです。つまり、「どっちの陣営に着くか」。ここの選択ミスは致命的となります。
では、アメリカと中国どちらの陣営に付くべきかというと、日本人の大多数の人が思っているように、安全保障を依存しているという点を抜きにしてもアメリカだと思います。
共産党一党独裁体制であり、表現の自由をはじめとする基本的人権が保障されていない中国の影響下に入ることを良しとしている人は少ないでしょう。
つまり、アメリカとはこの先も当分は仲良く付き合っていかなくてはならない。 ならば正しい付き合い方ができるように、極点に美化されたり、悪魔化されたアメリカ像ではなく、等身大のアメリカを知ることが大切だということです。