この本の著者であるポール・ウエイドが開発したコンビクト・コンディショニングという筋力トレーニング方法を紹介している本です。コンビクト・コンディショニングはキャリステニクスと呼ばれる自分の体重と慣性を身体発達の手段とする技術が使われているのが特徴です。要するに、自重トレーニングの本です。
ポール・ウエイドは元囚人で、1979年から約20年間もの間、アンゴラやマリオンといったアメリカで最もタフな刑務所に服役していたそうです。
強くなければ生きていけない監獄の中で、ポール・ウエイドは自分の体重を利用したトレーニングに励み、強靭な肉体を手に入れます。この本は、その過程で得られた経験や知識をトレーニングメニューとして体系的にまとめたものです。
この本のシリーズは外伝も含めて下記の4冊出版されています。
- プリズナートレーニング 圧倒的な強さを手に入れる究極の自重筋トレ
- プリズナートレーニング 超絶‼グリップ&関節編 永遠の強さを手に入れる最凶の自重筋トレ
- プリズナートレーニング 実戦!!!スピード&瞬発力編 爆発的な強さを手に入れる無敵の自重筋トレ
- プリズナートレーニング外伝 監獄式ボディビルディング
今回ご紹介するのは、その最初の1冊目です。400ページにも及ぶかなり分厚い本で、トレーニングメニューだけではなく筋肉に関する専門的な内容も含まれているのですが、発売以降大人気となり自重筋トレの教科書的な存在となっています。
コンビクト・コンディショニングはマシンを使用しないので、高い会費や時間がかかるジムに行く必要がありません。 自分の体重を使うので、バーベルやダンベルといった外部荷重も必要ありません。
懸垂バー、椅子、バスケットボールなどを使用しますが、他の物でも代替できます。家や旅行先でもできますし、公園でもできます。
トレーニングの内容はビッグ6と10ステップから構成されています。ビッグ6とは、下記の6つの動作のことです。
- プッシュアップ
- スクワット
- プルアップ
- レッグレイズ
- ブリッジ
- ハンドスタンドプッシュアップ
この6つの動作で全身の主要な筋肉を鍛えていきます。各動作はそれぞれ10個のステップから成り、ステップが上がっていくごとにエクササイズの内容が難しくなっていく仕組みになっています。
各ステップには目標となるレップ数とセット数が初心者の標準、中級者の標準、上級者の標準の3段階で設定されており、あるステップの上級者のレベルがクリアできたら次のステップに進むという形でトレーニングを進めていきます。
つまり、ステップ1の初心者の標準から開始して、マスターステップであるステップ10の上級者の標準をクリアするのがゴールとなります。
ここでは、ビッグ6の大まかな内容と、3か月間実際にトレーニングしてみた感想をご紹介します。なお、あくまで個人的な感想ですのでその点はご了承ください。
目次
1、ザ・プッシュアップ
まずはプッシュアップ、腕立て伏せです。上半身トレーニングの王道ですね。最終的にはワンアーム ・プッシュアップ、つまり片手腕立て伏せができるようになるのが目標です。
STEP 1: ウォール・プッシュアップ
STEP 2: インクライン・プッシュアップ
STEP 3: ニーリング・プッシュアップ
STEP 4: ハーフ ・プッシュアップ
STEP 5: フル ・プッシュアップ
STEP 6: クローズ ・プッシュアップ
STEP 7: アンイーブン ・プッシュアップ
STEP 8: ハーフ・ワンアーム ・プッシュアップ
STEP 9: レバー ・プッシュアップ
STEP 10: ワンアーム ・プッシュアップ
プッシュアップをするときの手の置き方には様々な種類があります。武道やマーシャルアーツなどの打撃系格闘技をやっている人なら、拳を強化するために拳立て伏せをトレーニングしているかもしれませんし、手首の関節を強化するために手首の裏を床につけてやる人もいます。
しかし、ここでは全てのSTEPで関節に余計な負担のかからない、床に手のひらを平らに置く古典的なスタイルのプッシュアップを勧めています。
また、 ゆっくりと体を上げ下げするのもポイントです。トップポジションから2秒かけて体を下ろしていき、ボトムポジションで1秒間静止、トップポジションに戻すまで2秒かける。繰り返す前に1秒間、静止する、といった感じです。
このゆっくりとしたペースでエクササイズを行うのはプッシュアップだけではなく、他のビッグ6のエクササイズ全てに共通するやり方です。スピードを付けて勢いよくやらない方がいい理由は、勢いに頼ると筋肉かかる負荷が小さくなり、効率が悪くなるからです。また、勢いよくやると関節を痛めるリスクが増すというのもあります。
ちなみに、胸筋を大きくすることに焦点を絞る場合、人によっては必ずしもプッシュアップがベストなトレーニング方法とはならないようです。
プッシュアップは大胸筋、三角筋前部、上腕三頭筋、など上半身の様々な筋肉のトレーニングになりますが、裏を返すとやり方によっては肩や腕に負荷を逃がすことができるからです。
なので、「監獄式ボディビルディング(プリズナートレーニング外伝)」ではプッシュアップをいくらやっても思うように胸筋がつかないと感じるのであれば、ホリゾンタルバー・ディップスも並行してトレーニングすることを勧めています。
<実際にやってみた感想>
STEP 5のフル ・プッシュアップが体育の時間に習った、誰もが知っている普通のプッシュアップになります。ここまではそれほど時間をかけずに到達できました。
STEP 6のクローズ ・プッシュアップからは結構難しくなります。両手の人差し指を付けて行うプッシュアップなのですが、腕を完全に曲げ切ったボトムポジションの窮屈な状態から脱するのにかなりの力が要ります。
マスターステップであるワンアーム ・プッシュアップの上級者のレベルをクリアするためには片腕ずつ100レップスできるようにならなければならないので、クリアするのは大変そうです。
2、ザ・スクワット
スクワットもプッシュアップと同様にかなりメジャーなトレーニング方法の一つです。筋トレをやったことのない人でも知っているのではないでしょうか。マスターステップは片足でのスクワットです。
STEP 1: ショルダースタンド・スクワット
STEP 2: ジャックナイフ ・スクワット
STEP 3: サポーティド ・スクワット
STEP 4: ハーフ ・スクワット
STEP 5: フル ・スクワット
STEP 6: クローズ ・スクワット
STEP 7: アンイーブン ・スクワット
STEP 8: ハーフ・ワンレッグ ・スクワット
STEP 9: アシステッド ・ワンレッグ ・スクワット
STEP 10:ワンレッグ ・スクワット
ここでは、スピードを付けないでスクワットをします。勢いよくしゃがみ、その反動を使って立ち上がると膝の軟骨にダメージを与えるリスクが高くなるからです。
そもそも、片足でのスクワットは相当な熟練者じゃないと、きちんとしたフォームを保ちつつ、スピードを付けてやることなんてできないんじゃないかと思います。
また、ボトムポジションでは完全にしゃがみ込むようにします。太ももの裏をふくらはぎに押しつけるようにするのがポイントです。完全にしゃがんだ状態から立ち上がる過程で、足の筋肉だけではなく健も強化されます。
完全にしゃがむと膝の関節に負担をかけそうですが、実際は逆で、膝の血流増加と可動域の広がりが膝にたまった老廃物を取り除き、関節に良い影響を与えるそうです。
<実際にやってみた感想>
STEP 6のクローズ ・スクワットまでは、床に両足を付けた状態でのスクワットです。日常的にスポーツをやっている人であればここまで来るのにはそれほど時間はかからないんじゃないかと思います。
STEP7のアンイーブン ・スクワット以降が片足でのスクワットになるのですが、ここから一気に難易度が上がります。理由は片方の足で体重を支えなければならないので、負荷が一気に上がることもあるのですが、何より体のバランスをとるのが難しいです。
しゃがむときも立ち上がる時も、気を抜くとすぐに体がぐらぐらと揺れてしまいます。最初のうちは体を安定させるだけでも結構筋力を使うと思います。
けど、何回かしばらく我慢してトレーニングしていると、だんだんコツが掴めて(というよりも体が覚えて)特に苦労しなくてもバランスが取れるようになります。
3、ザ・プルアップ
プルアップとは懸垂のことです。引き戸のような背中と、大砲のような上腕を作るクールなエクササイズとのことですが、個人的にはかなり難易度が高いと思います。
STEP 1: ヴァーチカル・プル
STEP 2: ホリゾンタル・プル
STEP 3: ジャックナイフ・プル
STEP 4: ハーフ・プルアップ
STEP 5: フル・プルアップ
STEP 6: クローズ・プルアップ
STEP 7: アンイーブン・プルアップ
STEP 8: ハーフ・ワンアーム・プルアップ
STEP 9: アシステッド ・ワンアーム・プルアップ
STEP 10: ワンアーム・プルアップ
重力に逆らって体重の全てを引き上げなくてはならないので、特に太り気味の人にとっては難易度がさらに上昇します。
本書にも、プルアップは真剣にトレーニングしても、あるステップから次のステップに進むために数か月を要するのは普通のことだ、と書かれています。それくらい時間がかかると思ったほうがいいようです。
プルアップをするときに守らなくてはいけないのは、「肩を締める」ことです。広背筋を収縮させるとも言い換えられます。なぜ肩を締めなければならいかというと、完全に脱力してぶら下がってしまうと、肩の関節が延ばされて靭帯を痛めたり、肩を脱臼する可能性があるからです。
ちなみに、ぶら下がるときの拳の握り方については、特に決まりはないのですが、オーバーハンドグリップ(拳が自分の方に向いている握り方)が無難だと思います。
<実際にやってみた感想>
STEP5のフル・プルアップがいわゆる普通の懸垂なのですが、STEP 3の ジャックナイフ・プルで早くも躓きました。理由は握力が不足しているからです。体重を持ち上げる以前に、握力が無いとぶら下がっていることすらできないです。
実際、握力を鍛える最高のエクササイズは「ハンギング(ぶら下がり)」なのだそうです。
このエクササイズもマスターステップは片腕でのプルアップですが、ここまで到達するのにはかなりの時間がかかりそうです。
4、ザ・レッグレイズ
腹部のエクササイズです。脂肪のないスリムで引き締まったおなかは健康的なイメージもあるので、腹部のトレーニングは結構人気があると思います。 夜中の通販番組や雑誌の広告には腹筋を鍛えるトレーニング用のマシンも数多く紹介されています。なかには自動で腹筋を鍛えるマシンなども発売されました。それだけ関心が高いトレーニングです。
STEP 1: ニー・タック
STEP 2: フラット・ニー・レイズ
STEP 3: フラット・ベント・レッグレイズ
STEP 4: フラット・フロッグ・レイズ
STEP 5: フラット・ストレート・レッグレイズ
STEP 6: ハンギング・ニー・レイズ
STEP 7: ハンギング・ベント・レッグレイズ
STEP 8: ハンギング・フロッグ・レイズ
STEP 9: パーシャル・ストレート・レッグレイズ
STEP 10: ハンギング・ストレート・レッグレイズ
腹部の代表的なトレーニング方法というと、 仰向けに寝転がって上体を起こすシットアップと、足を上げるレッグレイズがあります。トレーニングに興味がある方であれば、シットアップは腹直筋の上部に、レッグレイズは腹直筋の下部に効くということを聞いたことがあると思います。
しかし、本書によると「シットアップは腹直筋上部に、レッグレイズは腹直筋下部に効く」という説は誤りであるそうです。ゴムの両端を持って片側だけを引っ張ったとしても、ゴムは全体が均等に伸びますよね。片側半分だけが伸びるということはありません。
それと同じで、シットアップとレッグレイズはどちらか一方をやれば上部も下部もなく、腹直筋全体が均等に伸縮するそうです。
ビッグ6ではシットアップではなくレッグレイズが採用されていますが、これには3つ理由があります。一つ目はレッグレイズの方が使用する道具が少なくて済む点です。シットアップはシットアップボードやローマンチェアなどが必要ですが、レッグレイズはぶら下がるバーが一つあればマスターステップもクリアできます。
二つ目は足を上げるレッグレイズの方が日常的な動作であり、機能的な筋肉を作るからです。ジャンプ、キック、ランニングなど、スポーツをするときにも必ずと言っていいほど足を上げます。
最後は、 ぶら下がって行うハンギングレッグレイズをトレーニングすることで、 腹筋の他に広背筋や握力、腕の力など、多くの筋肉を鍛えることができるからです。
<実際にやってみた感想>
STEP 5までが椅子に座ったり、床にあおむけに寝た状態で行うレッグレイズ、STEP 6のハンギング・ニー・レイズ以降がバーなどにぶら下がって足を上げていくハンギングレッグレイズになります。
ある程度、腹筋を鍛えている人であればSTEP 5までは割と苦労しなくてもいけるんじゃないかと思います。STEP 6もぶら下がった状態で行うとは言え、膝を腰の高さまで上げればいいので、腹筋にはそれほど負荷がかからないです。
プルアップも同時並行でトレーニングしてけば、ぶら下がった状態をキープするのに必要な握力も付いてきます。
STEP 7のハンギング・ベント・レッグレイズは膝の角度を45度に保ったまま足を上げ下げするのですが、このあたりから一気に腹筋にかかる負荷が大きくなり、きつくなっていきます。
ぶら下がった状態で足を持ち上げると、体全体が前後にゆらゆら揺れてしまいます。 体が揺れないように固定させようとすると、全身の筋肉を総動員するような感覚になります。これはキツイです。
とはいえ、プルアップのように全体重を重力に逆らって持ち上げるわけではないし、片腕でぶら下がる必要もないという点を考えれば、マスターステップまでクリアするのはプルアップよりも楽な印象です。それでも相当きついとは思いますが・・・
5、ザ・ブリッジ
ブリッジは上体を後方に反らせ、背中を地面につけないように足の裏と手で支えた姿勢で行うエクササイズです。学校の体育の授業でやったことがある方もいるかもしれません。
STEP 1: ショート・ブリッジ
STEP 2: ストレート・ブリッジ
STEP 3: アングルド・ブリッジ
STEP 4: ヘッド・ブリッジ
STEP 5: ハーフ・ブリッジ
STEP 6: フル・ブリッジ
STEP 7: ウォールウォーキング・ブリッジ(下向き)
STEP 8: ウォールウォーキング・ブリッジ(上向き)
STEP 9: クロージング・ブリッジ
STEP 10: スタンド・トゥ・スタンド・ブリッジ
本書を読むまで、ブリッジは筋力トレーニングというよりかはストレッチのイメージが強かったので、このブリッジが含まれているのはちょっと意外でした。鍛えられる筋肉は背骨の周りにある脊柱起立筋です。
脊柱起立筋は大胸筋や腹筋・背筋などと比べてマイナーな存在だと思います。普段の生活で意識しづらいし、鍛えたところで見た目に大きな影響を与えません。
しかし、本書によると脊柱起立筋は信じられないくらい重要な筋肉なのだそうです。もし世界中で最も重要なエクササイズは何かと聞かれたら、ブリッジと答えるほどのようです。
なぜそんなに重要なのかというと、脊柱起立筋は脳の次に重要な人体の器官である「脊髄」を衝撃から守るコルセットの役割を果たしているからです。また、曲げる、押す、引っ張る、しゃがむ、といった腕や脚の動きに幅広く関わっていることも理由として挙げられます。
ブリッジをトレーニングすれば、背骨のゆがみや椎間板の退化を防止したり、腰痛を改善させることができます。健康改善効果はどのエクササイズよりも大きいようです。
そんなブリッジですが、初心者がいきなり挑戦しようとして背中を後ろに反らせると、柔軟性が不足しているため背骨に大きな負担がかかることがあります。脊髄は非常に繊細で傷つきやすい器官であり、 思わぬ事故に繋がらないとも限りません。
なので、このブリッジトレーニングのシリーズは、スクワットとレッグレイズの STEP 6 をクリアしてから開始することが推奨されています。そうすれば、脊柱と股関節がある程度強化され、ウエストのしなやかさが身に着いた状態でブリッジトレーニングを開始することになるので、ケガのリスクが少なくなります。
<実際にやってみた感想>
STEP 3のアングルド・ブリッジから頭の横に手を置くポジションが導入され、 STEP 4のヘッド・ブリッジから本格的なブリッジが開始されます。このあたりで難易度が上がります。
まず、体をアーチ状にホールドするだけでも結構キツイです。一応、 スクワットとレッグレイズのSTEP 6をクリアした後に試してみましたが、肩や肩甲骨周りの柔軟性が足りないためか、腰近くの背骨に負担が集中し、肘を伸ばすことができません。
肺も押しつぶされたような感じになり、深く呼吸もできないです。やはり、かなりの柔軟性が身に着いた後でないと、正しいフォームでトレーニングするのは難しいんじゃないかと思います。
マスターステップは、まっすぐに立った状態のまま上半身を後ろに反らせて、ブリッジの体勢になり、足を動かさずに元の体勢に戻るというものです。ここまでくると、ほとんど曲芸師並みの柔軟性だと思います。
6、ザ・ハンドスタンド・プッシュアップ
逆立ちした状態でのプッシュアップです。このエクササイズもブリッジと同様に難易度はかなり高いと思います。逆立ちには壁を利用するパターンと壁の支えなしでやるパターンがありますが、ここでは壁を利用する逆立ちが採用されています。
STEP 1: ウォール・ヘッドスタンド
STEP 2: クロウ・スタンド
STEP 3: ウオール・ハンドスタンド
STEP 4: ハーフ ・ハンドスタンド・プッシュアップ
STEP 5: ハンドスタンド・プッシュアップ
STEP 6: クローズ ・ハンドスタンド・プッシュアップ
STEP 7: アンイーブン ・ハンドスタンド・プッシュアップ
STEP 8: ハーフ・ワンアーム ・ハンドスタンド・プッシュアップ
STEP 9: レバー ・ハンドスタンド・プッシュアップ
STEP 10: ワンアーム ・ハンドスタンド・プッシュアップ
壁なしでの逆立ちは、筋力に加えて高度なバランス感覚が必要となります。一方の壁を利用する逆立ちは、バランスをとる必要が無いので、筋力を高めることに集中できます。トレーニングの目的は筋力をつけることなので、 壁を利用するパターンでやるというわけです。
とはいえ、そもそも体の上下を逆にしてその姿勢をキープすること自体が結構ハードなので、逆立ちを日常的にやっていない人にとってキツイことに変わりはなく、壁の支えがあったとしても難易度は高いです。
ちなみに、逆立ちには気分のリフレッシュ、血流の促進、疲労回復などの効果があり健康法としてもおすすめなので、マスターしておくと良いです。
<実際にやってみた感想>
このエクササイズは STEP 1のウォール・ヘッドスタンドからつまずきました。頭と両手の手のひらを床に着けて倒立する、いわゆる三転倒立なのですが、重心を頭にしっかり載せないと首に大きな負担がかかってしまいます。コツをつかむまで、何回か練習する必要があると思います。
STEP 3 のウオール・ハンドスタンドが両手の手のひらだけで体を支えて倒立する通常の逆立ちになります。STEP1がクリアできていれば逆立ちの姿勢になること自体は難しくないのですが、上級者の標準をクリアするには、逆立ちの状態で2分間姿勢をキープしなければならず、途中から肩の筋肉が悲鳴を上げ始めます。
マスターステップのゴールはワンアーム ・ハンドスタンド・プッシュアップです。片腕で逆立ちをした状態からさらに腕立て伏せをします。上級者の標準は左右の腕それぞれ5レップス1セットです。たった5回のプッシュアップができればクリアですが、そう簡単ではありません。
片腕で逆立ちした状態でやるとなると全体重が片腕にかかるわけです。ジムにあるショルダープレスで同じことをやろうとすると、重さが倍なので、例えば体重60kgの人であれば両腕で120kgのウエイトを上げることになります。120kgを上げることができる人はそうはいないんじゃないでしょうか。
憧れのメロン肩を手に入れるには、相当な時間がかかりそうです。実際、本書でもこのエクササイズをマスターしたければ、プッシュアップの深さを少しずつ増していくようにし、3年かあるいはそれ以上の年月をかけて習得していくべきだと書かれています。