いま、四十代以上のビジネスマンが考えるべきは、いかに会社で息を潜め、”外の世界を切り開くか”である。
40代以降の会社員の働きかた・生き方について書かれた本です。
「50代からの「稼ぐ力」/大前研一」に書かれていることと趣旨は似ています。違いといえば、「 50代からの ~」の方が分析的かつ実践的な内容で、本書の方がエッセイ風で読みやすいというところでしょうか。
この本では、ストレスのかからない仕事を選び、健康な体を維持しながら、サイドビジネスや趣味を充実させていく、そんな生き方が勧められています。感性が鈍らないように好奇心を常に磨いておくことも大切だとしています。
「保守的になるな」ということも本書の一環したテーマの一つです。一度、楽な道を選ぶと、とことん楽な道を選ぶようになります。これまでの自分を変えようと思ったら積極性が必要だし、それなりの苦労も伴うということだと思います。
著者は「サラリーマンはすべて負け組だ」としていますが、会社員として生きていくことを否定しているわけではありません。組織の歯車となって働くのにも才能が必要だとも書かれています。これまで会社組織に忠実に従ってきた自分を褒めてあげたうえで、今後は自分の時間を最優先させるべきだということです。
上司の指示に文句を言いながら給料をもらっているサラリーマンなどは愚の骨頂で、歯車になり切れていない。むやみに組織に抵抗してエネルギーを無駄遣いするくらいなら、これからずっと楽しめる趣味を見つけたほうがずっと有意義だということのようです。
つまり、「脱・社畜」のススメです。
目次
「自分商店の店主」であるという意識を高める
サラリーマンは基本的に一人が一つの仕事に従事するという働き方ですが、他の職業では本業の他に副業もこなしているケースが結構あります。昔から農家では米や野菜を作る傍らで豚や鶏を飼うなどしてきたし、芸能人が飲食店を経営したり小説を書いたりする例もあります。
毎月一定額の給料が口座に振り込まれるような職業ではない人たちの場合、サイドビジネスを持って収入源を分散させるのが当たり前のようです。
今後はサラリーマンであったとしても、いつでも「自分商店の店主」であるという意識を持って、自分をいかにプロデューサしていくかを考えていかなければなりません。
サラリーマンがサイドビジネスを行う際は、大企業ではできないような小回りの利くビジネスを狙い、勝機がなければ即撤退するといった、ゲリラ戦法に徹するのが良いようです。
また、趣味が高じて仕事になることもありますが、この場合は競争相手が少ないニッチな趣味でないとお金を稼ぐのはなかなか難しいようです。
料理やカメラなど人気がある趣味の場合、新しく習い始めたとしてもその他大勢になるのがオチです。
例えば趣味で蕎麦打ちを習い始め、やってみたら意外と自分に合っていて人に食べてもらえるくらいまで技術も上達したとしても、副業として成立させられるかどうかはまた別の問題なのだそうです。ましてや脱サラして蕎麦屋を開業するなどはかなり危険な博打です。
開業資金が必要なうえに、全国各地に蕎麦屋はたくさんあるので過当競争気味です。そんな中で、お客さんを集めて人気店になるにはかなりの腕前と創意工夫が必要です。
基本的に趣味は本業の合間にやるものなので、雨の日も風の日もひたすら蕎麦を打ち続けているこの道何十年の蕎麦打ち職人に匹敵する蕎麦が出せるようになるかどうかはかなり疑問です。
趣味で稼げるようになるには、内容がマニアックであればあるほど、競争相手も少なく、その道の第一人者として活躍できる可能性が高まるというわけです。
自分に合うものを探す
本書では、やり残したことやあきらめたことばかりを抱えて人生の終盤を迎えることに比べたら、遊んでばかりいて仕事をおろそかにする後悔など取るに足らない、と説いています。
興味があるものや、やってみたいことは 「定年してからやろう」ではなく、 どんどんチャレンジしていくべきだということです。その姿勢が「自分商店の店主」であるという意識を高めることにも繋がるんじゃないかと思います。
その際には、長く続ける努力をするのではなく、続けられるものを探すことが大切のようです。
趣味は運動系にしろ芸術系にしろ、長く続けば続けるほど上達していくものですが、 自分が心から楽しめて気が付いたら長く続けているもの、それが自分に合っている趣味だということです。副業についても同じです。
才能とは偏りである。誰にでも、何かしらの才能はあるものだ
という記述がありますが、三日坊主で終わっても構わないので興味のあるものにチャレンジしてみれば、自分に合うものや能力が発揮できるものが見つかるのではないでしょうか。