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お金・働き方

本気でFIREしたい人が読むべき本

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「FIRE」という言葉を聞いたことがありますか?Financial Independence(経済的自立)とRetire Early(早期リタイア)の頭文字をとった言葉です。日々の生活のなかで貯蓄と節約に励むと同時に株式や債券に投資を行い、そこから得られる不労所得だけで毎年の生活を賄える状況を構築し、日々の労働から解放された自由な人生を手に入れようという試みのことを指します。

このFIREムーブメントは2010年代から注目を集めはじめ、現在はアメリカ、ドイツ、日本などの先進国を中心に広がりを見せています。やりたいことを我慢し、家族との時間を犠牲にながら好きでもない仕事を40年間続けるという人生に疑問を持つ若者世代には特に人気があるようです。

経済的自由が手に入れば、日々の労働から解放されます。フルタイムで世界中を旅行することもできるし、朝は何時まで寝ていて文句は言われません。好きな時間にジムに行って体を鍛え、一番空いている時間帯に映画館で最新作を見ることもできます。社会貢献のためにボランティア活動に精を出すことも可能です。

もちろん生活費以上の不労所得が得られるからといって勤めている会社を辞めなければならないこともありません。会社員のなかには所属している会社や組織のために働くことに充実感や誇りを感じている人も多いでしょうし、自由よりも誰かに雇われて働いたり、組織に所属することによる安心感を得ることのほうが大事だという人もいるでしょう。

経済的に自立してお金の悩みから解放されるということが決定的に大事なのです。生活のために仕方なく働くのと、選択の余地の下、自ら選択して働いているのとでは、天地の差があります。

お金持ちになる方法はとてもシンプルで基本的には下記の3点を実践するだけです。

1、収入を増やし
2、支出を減らし
3、より多くの金額を貯蓄(投資)する

ただ、それぞれに効率の良いやり方が存在します。この本ではそれを学ぶことができます。500ページという小型の辞書くらいの分厚さがある読み応え抜群の本で、おすすめの投資銘柄や交通費の節約方法まで「FIRE」するために必要な知識が網羅されています。米国で出版された本なので書かれていることをそっくりそのまま日本で実行するのは難しい部分は多少ありますが、これを読み終わるころには経済的自立に必要な根幹となる考え方や戦略がわかるでしょう。

実際いくら必要なのか。目標となる金額を決める

FIREを達成するための第一歩は目標金額を決めることです。その目標金額によってFIRE達成までに必要となる期間や難易度が変わってきます。早期リタイヤを達成するために億万長者になる必要はありませんが、目標金額が大きければ大きいほど達成するための道のりは困難になります。

もちろん数年後にリタイアする場合は別として、20年後や30年後にリタイアした後に毎月いくらの生活費が必要になるのかを正確に把握するのは不可能です。なので、この作業は自分のライフスタイルの変化や成長に合わせて計算しなおして定期的に調整していくのがおすすめです。

リタイア後にどのような人生を送りたいかをイメージするのも大事です。都心に住みたいか、田舎暮らしをしたいかで生活費も大きき代わってきます。さらに、子供の教育費にいくらかけたいかといった、今後訪れるライフイベントも考慮に入れるべきです。

これらを考慮したうえで、何年でいくら貯めるという目標をまずは立てましょう。

支出を減らす方法

自分の支出を分析する

無駄な支出を減らせばその分お金が貯まり、多くの資金を投資に回すことができます。リタイヤするために貯めなければならない金額も低くなるので、より短い期間で経済的自立に到達できるでしょう。

私たちは通常、自分が本当に欲しいのは何なのか、何が必要なのかを正確に把握することなく、惰性でお金を使っています。無駄な支出を減らすためには自分の支出を分析して、幸福感を感じる充実したライフスタイルを維持するために本当に必要なものとそうでないものを把握する必要があります。

そのためにまずは水道光熱費からサブスクリプションサービスの課金まで、過去12か月間に何にいくら使ったのかをエクセルやスプレッドシートなどに書き出します。ネットで買い物を頻繁にする人はクレジットカードの明細を見れば買い物についての支出は簡単に調べられます。細かい明細がわからない場合は大まかな金額でも大丈夫です。ネットに無料の支出管理ツールやアプリなどもあるのでこれらを使用してみるのもいいでしょう。

支出を明確にすることで自分にとって節約すべきものが何であるかが見えてきます。

例えばもし、平日のランチなども含めて外食に月3万円消費していたとしましょう。年間だと3万円×12か月で36万円になります。リタイア後、貯蓄の4%(0.04)の引き出し率で資産を切り崩していくとすると、36万円÷0.04(もしくは×25)=900万円となります。

つまり、このままのペースで外食をする習慣を続けていくならば引退するまでに900万円は貯めておかなければならないということになります。

毎日ペットボトルの飲料を買っている人であれば、年間で140円×365日=51,100円になります。これと同じ額を投資の利益で得ようとした場合、外食の例と同じく年利4%で計算すると51,100円÷0.04(もしくは×25)で約130万円の元本が必要になります。たったひとつの支出が与える影響の大きさがわかります。

このように、ある支出について価値があるかないかを判断する際に、金額を25倍して考えるという技は無駄な支出を減らす有効な方法の一つです。本書では他にも、「安く仕入れたり、自分のものと交換して手に入れられないか」といった「あらゆるものの真のコストを評価するための11の問い」が紹介されています。

ただ節約といっても、あくまで無駄な支出を減らすのが目的であって、何でもかんでも節約すればいいというものでもありません。毎日、喫茶店で300円のコーヒーを飲むことで1日の仕事に対するモチベーションや生産性があがるのであれば、その人にとっては価値のあるお金の使い方といえます。

食べ歩きが趣味という人であれば外食を楽しんだってかまわないのです。長期的に見た場合、数万円の貯蓄よりも日々の瞬間的な幸せの方が価値が高い可能性があります。大切なのは何が自分にとって本当に必要なものなのか、本当にその金額を払うだけの価値があるものなのか、を考えることです。

「友人や家族が持っていたから」とか「CMやTVで紹介されて流行しているから」といった理由で、冷静に考えたら実はそれほど欲しいわけではないのについつい買ってしまうものが真っ先に節約の対象となります。

節約すべき三大支出は交通費、住居費、食費

本書では節約を検討すべき三大支出として交通費、住居費、食費を挙げています。この3つの支出を最適化するだけで2割以上も節約することが可能となります。

通勤交通費や旅行の移動費を節約する

まず交通費についてですが、通勤、日々の買い物や雑事に伴う移動、長期休暇の旅行、の3つに分けて考えてみます。通勤の手段はいろいろありますが、なかでも自動車通勤は節約という観点から見るとおすすめできない手段です。

車はガソリン代の他、駐車場代、自動車保険など、所持しているだけでお金がかかります。購入時にローンを組んだ場合はその支払いも月々の支出になります。

最もお金がかからない通勤方法は徒歩ですが、それが無理なら自転車を活用しましょう。公共交通機関が発達した都心であれば保険や維持費がかかる車に比べて、電車やバスなどを使用したほうが安上がりです。

電車通勤であれば多少時間がかかったとしても、運転という面倒な作業から解放されるし、通勤時間を有効利用できるというメリットがあります。仮眠をとったり、スマホを駆使して副業することも可能です。自動車通勤をせざるを得ない状況であるならばそうするしかありませんが、その場合はできる限り安い中古車をローンの利息を払わなくても良いように現金で買うことで節約できます。

日々の買い物や雑事の際も、なるべく自動車を使わずに徒歩や自転車で移動すべきです。通勤定期を所持していれば電車での移動も節約することも可能です。

旅行にかかる費用も節約できます。

航空券や宿泊費を節約し、できる限りお金をかけずに旅行をするトラベル・ハッキングの手法は多種多様です。ほんのちょっとした努力で数万円の旅費が節約できることも多いので、特に旅行好きの人は是非とも身に着けておきたい技術です。

トラベルハッキングの手法のなかで特に効果的なのは航空会社のマイレージサービスやクレジットカードの特典利用です。頻繁に旅行するのであれば旅行関連の支出で高ポイントが得られるカードを探して登録しておきましょう。年会費がかかる場合もありますが、トラベルクレジットがもらえたり、空港のラウンジが無料で使用できるなど、年会費を上回る価値が提供される場合があります。

プロモーション中のマイルカードを探して登録し、特典をもらった後に解約するという方法も有効です。

そして、カードを登録したら普段の食事や買い物などでクレジットカードを使用してポイントをこまめに貯めていくことです。

ただしポイントが欲しいからといって不要なものを買い込んだり、余計な出費が増えてしまっては本末転倒です。分割払いやリボ払いを使用することで、毎月利子を支払うことになるのも避けなければなりません。クレジットカードの支払いは毎月支払える範囲に抑えるというルールは厳守するべきです。

他にも、オフシーズンに旅行したり、行と帰りで別々の航空会社のチケットを購入するといった手法もあります。一つの航空会社で往復のチケットを買うよりも、片道ずつ別々の航空会社でそれぞれの最安値航空チケットを購入するほうが安上がりです。航空チケットの価格は一年を通して変動するので、最新情報を調べなくてはなりません。

本書ではこのような具体的な節約方法がいくつか紹介されていますが、ネット上にはトラベルハッキングの専門サイトが多く立ち上がっているので調べてみるといいでしょう。

自炊やクーポン利用で食費を節約

次に食費です。食費節約の基本は外食を控えて自炊をすることです。ただ、料理を作るのが好きな人や特別な食事制限が必要な人を除き、自炊する時間や買い物に行く時間が節約に見合うだけの価値があるかどうかは考えどころです。フルタイムで仕事をしていて残業が多い人は、自炊をする時間がないかもしれません。ある程度の収入があるのであればいつもの食事の仕方を変える必要はないでしょう。

自炊をするのであれば、スーパーで安売りしているときに食材の大量まとめ買いをしたり、Amazonなどの定期お得便の利用で節約が可能です。ちょっとした野菜であれば自家栽培することも可能です。家庭菜園で育てられる野菜はナス、キュウリ、枝豆、オクラなど種類も豊富で、素人でも美味しい野菜が栽培できます。

外食する場合は、飲み物を注文しない、飲食店のクーポンやキャンペーンをこまめにチェックして利用することで節約できます。社員食堂があったり、食費補助などの福利厚生を提供している会社であればそれを最大限活用する方がいいでしょう。最近ではサブスクを導入している飲食店もあるので、利用できるのであればこれも一つの方法です。

実家や会社の寮に住んで住居費を節約

最後の住居費についてですが、最もシンプルで効果的な方法は、できる限り安い家賃のアパートやマンションに引っ越すことです。住居費は毎月決まった金額が確実にかかううえに、食費や交通費などと比較しても支出に占める割合が大きいので、是非とも節約したいところです。

会社の寮に住んだり、ルームメイトと一緒に家賃を折半したり、シェアハウスに住むことでも家賃を節約できます。可能であれば実家で親と同居し、家賃タダで生活する方法もあります。親やルームメイトと一緒に生活するのは気が進まないかもしれませんが、3年なり5年なりの期間限定と割り切ることです。節約できた家賃を毎月投資に回し資産が増えることを考えると、検討の余地はおおいにあります。

なお、海外では家主が留守にする期間、ペットや植物の世話をする代わりに無料でそこに泊まれるハウス・シッテイングというシステムもありますが、日本では法律上の制約があることもあり普及はしていないようです。長期の海外旅行に行く時などには考えてみるのみいいかもしれません。他にも不動産を購入して自分が使わない部屋を他人に貸し出すハウス・ハッキングというテもあります。

収入を増やす方法

より多くのお金を稼ごうと思ったら、①今よりも長時間働く、②時間当たりに稼ぐ金額を増やす、のどちらかが基本戦略となります。

週1回バイトやネット副業で収入を増やす

最も簡単でシンプルな方法は今より多くの時間働くことです。多くの時間働くには単純に本業の勤務時間を長くして残業代や時給を稼ぐ方法と、本業とは別の副業を始める方法があります。

例えば副業OKの会社に勤めている会社員が本業とは別に牛丼屋などの飲食店でアルバイトするとしましょう。時給1,200円だとして、土日のみ6時間ずつ働いたとすると単純計算で年間約75万円もの副収入を得ることができます。75万円を投資で稼ごうとすると、支出のところでご紹介した25倍ルールで考えると1,875万円という高額な元金が必要です。

最近では週1回から働けるバーテンダーのような短時間でも働けるアルバイトがたくさんあるので、若くて体力があればこの方法はシンプルで失敗もなく収入を増やす有効な方法と言えます。

最近ではUber Eatsの配達員のように拘束時間が無く、空き時間を利用して手軽に稼げる副業もあります。他にも、アフィリエイト、ハンドメイド作品や不用品の販売、せどり・転売のようにネット環境があればどこでもできる副業も数多くあります。

国が副業解禁を推奨しているということもあり、今はかつてないほど副業がしやすい環境が整ってきています。今後もその傾向は続くでしょう。はじめは本業の片手間として開始した副業が大きく成長し、独立起業に至ることも決して夢ではありません。

会社と昇給の交渉をする

しかし、当然ながら1日のうち使える時間は限られているし、本業で精いっぱいで、とてもじゃないが副業をする余裕がない、そもそも会社で副業が禁止されている、という人も多いと思います。その場合は②の時間当たりに稼ぐ金額を増やすことができないかを考えます。

会社員の場合、本書が推奨する時間当たりに稼ぐ金額を増やす最も直接的で手っ取り早い方法は、会社と昇給の交渉をすることです。ただ、こういった交渉が珍しくない米国ならともかく、日本では若干ハードルが高いかもしれません。上司と交渉した結果、人間関係が悪化して仕事がやり辛くなったり、職場に居づらくなることも考えられます。

それに、ただ単に「給料を上げてくれ」と言ってもすんなりと応じてくれる可能性は低いかもしれません。昇給に応じてもらえるかどうかは会社や上司があなたのことをどう思っているかにかかっているからです。会社は従業員に残ってもらいつつ、支払う給料はできる限り抑えようとします。従業員がぎりぎり満足できる給与を支払いつつ、会社は利益を上げているのです。

会社にとってあなたが価値ある存在であると判断してもらえれば昇給に応じてくれるでしょう。なので、昇給の交渉をする際には、これまであなたがいかに会社に貢献してきたかをアピールしなければなりません。

交渉の事前準備としてこれまでの実績や対応した業務をまとめておく必要があります。これまで積み上げてきた業績のなかで上司が見落としているものがあるかもしれません。自分の給料がいかに低いかということを証明する資料を補強材料として使用するのもおすすめです。たとえば、他の会社であればいくら稼げるのかという転職エージェントからのメールなどです。

会社を利用し、自らの市場価値を上げよ!

もし、特にアピールできる要素がないのであれば、まずはスキルを身に着けて会社にとってなくてはならない有能な人材になる必要があります。そもそも、見方を変えればフルタイムの会社員ほど恵まれている立場はありません。確かに自由はかなり制限されますが、会社の金でスキルを学べる上に、組織の力で自営業やフリーランスでは絶対に体験できないスケールの大きい仕事をして、それを経験として蓄積することができます。

真剣に働かなくても給料は出るし、何かのプロジェクトで失敗しても多少のペナルティはあるもののよほどのことでなければクビにもなりません。非常に美味しいポジションなのです。これを利用しない手はありません。

スキルを身に着けて有能な人材になれば、会社は昇給の要望を受け入れる可能性も高くなるし、もし拒否されたのであれば今よりも高年収を保証してくれる会社に転職することも可能です。

投資の方法

収入を上げて支出を減らし、毎月資金が確保できるようになったらそれを片っ端から投資に回していきます。短期間でのFIRE達成を本気で目指すなら収入の8割を投資に回すくらいの感覚でなければならないようです。

投資は未経験の人にとっては「なんとなく難しそう」、「結局は損をするんじゃないか」という印象があるかとは思いますが、決してそんなことはありません。大切なのは複雑な投資戦略や難解な専門用語に惑わされることなく、できるだけ早く効率的に資産を増やすことです。投資のプロになることが目的ではないのです。

本書で紹介されている基本的な投資のコンセプトは下記の5つです。マーケットや各種の経済指標、特定の会社の株価を自分の意志で動かすことはできないので、自分でコントロールできる要素に着目し、リターンを最大化する戦略を取ります。

  1. リスクを最小限に抑える
  2. 手数料を最小限に抑える
  3. 掛け金に対する税金を最小限に抑える
  4. リターンを最大化する
  5. お金を引き出す際の税金を最小限に抑える

投資対象についてはまずは自分が理解していないものに手を出さないようにすることが大事です。アート作品、ワイン、通貨、仮想通貨、骨董品など様々な投資対象がありますが、出会ったばかりの人やファイナンシャルアドバイザーが勧めるものや、中身をよく理解しない状態で年利20%を約束する商品に手を出さないようにしましょう。

本書では長期的に安定したリターンをもたらし、簡単で信頼できる投資対象として株式、債券、不動産を挙げています。この3つが投資ポートフォリオの中核となります。これらに下記のステップに従って投資をしていきます。

ステップ1、短期と長期の投資目標を区別する
ステップ2、いくら投資しなければならないかを計算する
ステップ3、目安とするアセットアロケーションを決める
ステップ4、手数料をできるだけ安く抑える
ステップ5、正しい資産を選択する
ステップ6、税優遇口座を最大限活用する
ステップ7、課税口座への投資

短期投資ではリスクが低い債券ファンドに投資

まず、お金が短期的(5年以内)に必要か、長期的(5年以降)に必要かで投資の手法が変わってきます。通常、株式市場は5年スパンで大きく変動するため、もし短期的に必要お金を投資で運用するのであれば、ボラティリティ(価格の変動)が少ない資産に投資を行うのが賢明な判断となります。

緊急時に必要となる生活防衛資金(本書では6か月分を推奨)を銀行口座など、すぐに引き出せる現金の形で預けておき、その残りを短期投資用の債券に投資をするのがおすすめです。債券は株式よりも高いリターンは望めないものの利息が固定であるうえに、発行機関が債務不履行に陥らない限りリターンが保証されています。

良くも悪くも利息が株式のように変動しないので、短期間で大暴落するといったリスクを回避することができるわけです。債券に投資をするといってもわざわざ自分で銘柄を調べて直接購入する必要はなく、様々な投資適格債券に分散投資をする債券ファンドに投資をします。

たとえば、Vanguard Total Bond Market Index Fundなどです。このファンドはおよそ3割を社債、7割を公債に投資しする商品です。2012年~2017年にかけて毎年2~3%のリターンを達成しています。もう少しリスクを許容できるのであれば、Vanguard Wellesley Income Fundのように株式と債券の両方に投資をするファンドもいいでしょう。

このファンドは6割を債券、4割を株式に投資をしており、債券のみに投資するファンドに比べてリスクは若干高くなりますが、2017年~2018年にかけてのリターンは10.2%と高い水準になっています。

長期投資はバイ&ホールドが基本

リタイヤしてから死ぬまでずっと投資からの収益で生活費を賄いたいのであれば、資産の大半は長期投資で運用すべきです。長期投資の場合は投資した株式や債券を長期間売らずに所持し続ける「バイ&ホールド」が基本になります。

一時的に価格が下がったとしても回復する時間が十分にあるので、短期的な資産価値の変動を気にする必要がないからです。そして長期運用を目的にした最良の投資対象は米国株式市場とグローバル株式市場になります。

毎日、毎月、毎四半期、毎年いくら投資できるかを考え、それぞれの期間に投資に回す金額である基準値を設定します。そしてできる限り多くの資金を投資用の口座に自動送金するように設定しましょう。目標とする金額に早く到達するためには、定期的な評価を行い、副業や節約で得た資金を利用して基準値を可能な限り引き上げていくのがポイントです。

アロケーション

投資金額の計画が決まったら、次にどの資産にどの程度の金額を投資するかの割合であるアロケーションの目安を決めます。このアロケーションの決定が投資に関する最も重要なポイントの一つです。あらゆる投資にはリスクがつきものですが、通常は株式の方が債券よりもハイリスクハイリターンなので、ポートフォリオにおける株式の割合が高ければ高いほどリスクが高く(変動が大きい)なります。

どういった配分がベストかというと、これは目標とする金額、投資の方針、年齢など様々な要素を考慮して決定するべきなので、正解は一つではありません

ただ、投資から得られる収益を切り崩して生活費に充て始めるまでの期間がどの程度あるかは最善のアロケーションを考慮する際には特に注意しなければなりません。この期間が長ければ長いほど、短期的な変動をやり過ごしつつ長期的な潜在収益を得ることができる時間が長いのでハイリスクハイリターンな配分にするべきです。

つまり、リタイヤまでの期間が長い(資金に手を付けず、投資しておける期間が長い)ほどよりリスクを取るべきであり、株式への投資割合を高める(例えば株式100%/債券0%、株式70%/債券30%)のがいいでしょう。逆にリタイアまでの期間が短い場合はリスクを抑えるべきなので、債券の割合を増やす(例えば株式40%/債券60%、株式30%/債券70%)のがおすすめです。

リタイヤまでの年数が10年以上だったり、30代前半までの若い年齢であるならば当面は全資金を株式に投資する方針でOKです。

アロケーションの目安を決め投資を開始したら、すべての投資口座をならしてアロケーションの比率を維持するようにします。当初は株式60%/債券40%で投資を開始したのに、株式市場が好調で投資資産比率が株式70%/債券30%になるなど、時間が経つにつれて資産に増減が生まれることがあります。その場合もリバランスを行って、当初のアロケーションの比率に戻します。

リバランスといっても難しいことではなく、持ちすぎている資産を売却し、買うべき資産を買い足せばいいのです。資金に余裕があるのであれば持ちすぎている資産を売却せずに、単純に買うべき資産(先の例でいえば債券)を買い足して当初の比率に戻します。そうすれば運用資産も増えるうえに、売却にかかる手数料を支払う必要もありません。リバランスは年4回を目安に行うようにします。

運用手数料は0.3%以下に抑えて支出を削減

投資における支出には税金手数料があります。手数料は主に、購入時にかかる手数料、運用時にかかる手数料、売却時にかかる手数料があります。この中でも特に運用時にかかる手数料は長期投資における資産の増加ペースに多大な影響をもたらすので、銘柄を選定するときには必ずチェックすべきポイントの一つになります。運用にかかる手数料が大きければ大きいほど資金を複利で増やしにくくなるのです。

なので、実際に銘柄を選ぶ際には、手数料が安く、税金の影響が抑えられ、リターンの大きい資産を選ぶことになります。そして、リスクを抑えるためにいくつかの銘柄に分散投資をするのが基本となります。数ある銘柄の中から条件に合うものを自分で取捨選択してポートフォリオを作成することも可能ではありますが、それよりも投資信託やETFを買うほうが手軽です。

ETFとは上場投資信託とも言い、投資信託の一種ですが市場に上場されているので株式と同じように価格がリアルタイムで変動します。一方の投資信託は上場されていないので、基準価額(値段)は1日1回、発行者によって算出されます。

両方とも複数の資産がパッケージされたファンドであり、個別の銘柄を買うことなく、様々な株式や債券にいっぺんに投資をすることができますが、運用手数料はETFのほうが若干安い傾向があるようです。運用手数料の目安は0.3%なので、もしこれよりも高ければそのファンドは避けたほうが無難です。

一口に投資信託やETFといっても膨大な数の商品がありますが、そのなかから米国株式市場の銘柄に幅広く投資をするインデックスファンドに投資をすればいいのです。

9割のアクテイブファンドはインデックスファンドよりも低い運用成績

インデックスファンドとは、株価指数などの指標に連動した運用を目指すファンドのことで、運用対象は目標となる株価指数に採用されているのとほぼ同じ銘柄群で構成されています。運用会社やファンドマネジャーが独自の見通しや投資判断に基づき、指標以上の収益を目指すアクティブファンドというものもありますが、こちらの運用手数料はインデックスファンドよりも高めです。

しかも、これまでの研究によると、15年という長期間で見た場合、9割のアクテイブファンドの運用成績は米国株式市場の平均である7.3%よりも下回るという結果が出ています。つまり、インデックスファンドへ長期投資すれば、90%の確率でアクティブファンドに投資するよりも良い運用結果が得られるというわけです。

ではどのようなインデックスファンドがいいかというと、「トータル・ストック・マーケット・ファンド」として知られる、米国株式市場の2,000以上の銘柄に投資する下記のようなファンドです。

  • Vanguard Total Stock Market Index Fund Admiral Shares (VTSAX)
  • Vanguard Total Stock Market Index Fund ETF (VTI)
  • Schwab Total Stock Market Index Fund (SWTSX)
  • iShares MSCI USA Min Vol Factor ETF (USMV)
  • Fidelity Total Market Index Fund Premium Class (FSTVX)

また、米国の上位500銘柄のみのパフォーマンスに連動させる下記のような「S&P500」ファンドも推奨できます。

  • Vanguard 500 Index Fund Investor Shares (VFINX)
  • Vanguard 500 Index Fund Admiral Shares (VFIAX)
  • Schwab S&P 500 Index Fund (SWPPX)
  • Fidelity Spartan 500 Index Fund (FUSEX)

トータル・ストック・マーケット・ファンドとS&P500ファンドのどちらに投資すべきかについては特に大きな問題ではありません。Vanguard Total Stock Market Index Fund Admiral Shares (VTSAX)とVanguard 500 Index Fund Investor Shares (VFINX)の10年間の運用成績を比較すると、両者とも1年(2017年12月31日時点)で21%台、3年で11%台、5年で15%台、10年で8%台となっています。どちらを選んだとしても素晴らしい選択になるでしょう。

運用会社によっては取り扱っていない商品もあるので、自分が利用する運用会社のラインアップによって選べばOKですが、本書では株式のアロケーションに関してはトータル・ストック・マーケット・ファンドの方を推奨しています。

また、投資対象を米国株式市場にのみに絞るのが不安だという人はグローバル株式インデックスファンドへの投資を考えてみてもいいかもしれません。これであれば米国だけではなく全世界の株式に投資をするので、より分散効果が高まりリスクを抑えられます。

グローバル株式インデックスファンドへ投資する場合、投資アドバイザーの多くはポートフォリオの30%になるように勧めていますが、本書では5%以内に抑えることを勧めています。

ファンドから得られた配当金はそのまま同じファンドに再投資するように設定することです。これによって資産を複利の効果で増やし続けることができます。そして大事なことは、定期的な投資を行うのと同時に、臨時収入が入った場合や副業で収入が得られたら、できるだけ早く手動でその資金も投資に回すことです。自動設定と手動でのファンドの追加購入を並行して行うことで、資産を増やすスピードを加速させていきます。

資産構築に大きな影響を与える節税効果

さて、次は節税についてです。税金システムは複雑でややこしいこともあり、節税についての勉強は退屈に感じるかもしれませんが、税の最適化は資産構築に大きな影響を与えます。投資における税制優遇措置をうまく活用することで、資産のマイナスを最小限に抑えることができます。

その税制優遇措置を活用するカギは、お金を投資口座に入れる時と投資口座から引き出す時に戦略的になることです。ここでは制度についての詳細は省略しますが、NISAやつみたてNISA、確定拠出年金といった制度を最大限活用することです。

これらの制度を、限度額いっぱいまで使用したうえで余った資金を課税口座で運用することになります。できるだけ早く経済的自立に達したいなら、かなりの金額を課税口座で運用することになります。課税口座で運用する場合は、分配金に対する課税売買益に対する課税がかかります。

なお、どの制度や口座を使用して運用する際も、基本的には設定したアロケーションを維持するようにします。例えば株式8割、債券2割と決めたら、NISA口座で運用する時も課税口座で運用するときも株式8割、債券2割の割合で投資をします。

株式よりもリターンが少ない債券を課税口座で運用し、配当にかかる税金を少なくするというテクニックも使えないことはありませんが、投資金額が大きくなってくると難しいようです。課税口座では一度保有した資産を売却するときには譲渡益にも税金がかかります。

なので、余計な税金を支払わないようにするためにも、長期間売らずに所持し続ける「バイ&ホールド」が良いということになります。課税口座で短期間の売買を繰り返すのは避けるようにしましょう。

個別株への投資戦略

インデックスファンドに投資をしてなお余裕があれば個別株に投資をしてもかまいません。ただし、本書ではポートフォリオ全体の5%以内に収めることが推奨されています。インデックスファンドを通して株式市場全体に投資するだけで安定したリターンが望めるのに、一つの銘柄に大きく資金を投入するのはリスクに見合わない賭けだという考え方です。

個別株への投資戦略は2つあります。1つ目は、「バリュー投資」です。実際の価値よりも安く評価されている会社を探し出し、その会社の株に投資するというものです。複利計算で約21%のリターンを約50年間に渡って出していると言われている世界一有名な投資家ウォーレン・バフェットが採用している戦略としても有名です。

シンプルと言えばシンプルですが、将来的に成長する割安銘柄を探すのは高度な知識や経験が求められます。ただ、Amazonのような後々大化けする金の卵をうまく見つけ出すことができれば莫大な利益を得ることも可能です。

もう一つ戦略が「高配当投資」です。一部の会社は会社の利益を定期的に配当という形で株主に支払っていますが、この配当金の額が高額な企業の株に投資を行うというものです。多くの高配当株式に分散投資することで安定的に配当金を得ることができます。

多くの高配当株式を集めるのに若干手間がかかるのと、一度配当金を支払ったからといって、今後も永続的に配当金が支払われる保証はないというリスクはありますが、興味があれば検討してみるのもいいかもしれません。

不動産投資について

なお、本書では株式の次段階の優れた投資手法として不動産投資を勧めており、その具体的な方法も紹介されています。しかし、不動産投資については賛否両論あるようです。たしかに、不動産は購入時に住宅ローンが使用できるし、税金面での優遇もあり、投資用物件として購入した住宅の一室に住むことで生活費を浮かせることもできます。うまくいけば株式よりも短期間で大きなリターンも得られます。

一方で、一部屋空室ができるとひと月数万円の収入源になるうえに、月日が経つにつれて資産価値や家賃収入も減少していきます。資産価値を維持するためにはこまめなメンテナンスも欠かせませんし、家賃を支払わない住人がいたらその都度請求する必要も出てるとうデメリットも存在します。

ネットなどでは不動産投資の成功率は10%前後だという説を見かけますが、ある不動産投資セミナーの担当者によると不動産投資で成功する人は100人に1人なのだそうです。いずれにせよ投資の初心者にはハードルが高いことは確かなので、よほど資金に余裕があるのでなければ素人は手を出さない方が無難と言えるでしょう。

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