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健康、運動

プリズナートレーニング外伝 監獄式ボディビルディング/ポール・ウエイド、山田雅久(訳)

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健康に生きていくために必要なものはいくつもありますが、そのうちの一つが筋肉や筋力です。大きくて筋骨たくましい体躯は自尊心にも繋がります。もしあなたが、

  • 「筋トレには興味があるけど、ジムに通う時間がない、金がない。
  • 自分でトレーニングするにしても、何をどうトレーニングするのがベストなのかがわからない

という悩みを抱えているのであれば是非とも読んで欲しいのがこの本です。自分の体重を使って筋肉を付ける自重筋トレの方法論が書かれたプリズナートレーニングシリーズのうちの1冊です。プリズナートレーニングシリーズはこれまで下記の4冊が出版されていますが、そのうちの4冊名になります。

  1. プリズナートレーニング 圧倒的な強さを手に入れる究極の自重筋トレ
  2. プリズナートレーニング 超絶‼グリップ&関節編 永遠の強さを手に入れる最凶の自重筋トレ
  3. プリズナートレーニング 実戦!!!スピード&瞬発力編 爆発的な強さを手に入れる無敵の自重筋トレ
  4. プリズナートレーニング外伝 監獄式ボディビルディング

このシリーズを読んでトレーニングすれば、大量の金をジムの会費やプロテインに注ぎ込んできたボディビルダーでは身に着けることができない、本物の強さが手に入ります。

筋肉を着けるために最新式のマシンが取り揃えてあるジムも、パーソナルトレーナーを雇う必要もないのです。必要なのは自分の体重だけです。それだけで、バーベルやマシンで鍛え上げた筋肉を見せびらかしながら、威圧的に町を歩くやつらに負けない強さとオーラを身に着けることができます。

この本は「外伝」とタイトルにあるように筋トレの具体的な方法というより、1冊目や2冊目ではカバーしきれなかった、テストステロンについてやトレーニングのトラブルシューティングといった補助的なテーマを扱っています。

いくつかエクササイズも紹介されていますがどれも、1冊目で詳細に書かれたビッグ6(プッシュアップ、レッグレイズ、スクワット、プルアップ、ハンドスタンドプッシュアップ、ブリッジ)にプラスしてトレーニングメニューに加えれば、より高い効果が期待できるもの、という位置付けです。

プリズナートレーニングの1冊名および2冊目と合わせて読めば自重筋トレについての理解がより深まり、トレーニングの効果が倍増するでしょう。手元に置いて、何回も読み直す価値のある1冊です。

筋肉と筋力

曲芸師やプロの格闘家と呼ばれる人達の中には、ボディビルダーのような巨大の筋肉が無いにもかかわらず、大きなパワーを発揮します。彼らは一見すると痩せているようにも見えるほっそりとした体であるにも関わらず、腕一本で体を支えたり、常人離れしたパンチやキックを打つことができます。

なぜ発揮するパワーに見合った筋肉がついていないのでしょうか。それはトレーニングの仕方がボディビルダーとは違うからです。

トレーニングには運動神経系(筋力)を鍛えるトレーニングと筋肉系を鍛えるトレーニングの2種類があります。過剰な筋肉を付けることなくプロボクサーのようなパワーと技術を身に着けたいなら運動神経系のトレーニング、ボディビルダーのように筋肉を肥大化させたいなら筋肉系のトレーニングをする必要があります。

つまり、筋肉を付けてようとして熱心にトレーニングに励んでも、運動神経系を鍛えるやり方でやっていると、思ったように筋肉が大きくならないのです。このことは自重力トレーニングをする人は是非とも知っておきたいことです。

筋力(運動神経系)を鍛えるための10のルール

2つのトレーニング方法の違いは何かというと、一番大きな違いは運動神経系のトレーニングはレップ数を少なくしてセット数を増やす、筋肉系トレーニングはその逆でレップ数を増やしてセット数を少なくするです。

つまり、階級別に試合を行うプロボクサーやMMA(総合格闘技)アスリートのように過剰な筋肉を付けることなく筋力を付けたいのであれば、疲労するまでレップ数を増やさずに途中で休憩し、体が回復したらまた低レップ数トレーニングする、ということを多く繰り返すのです。

レップ数を増やすよりも、フォームをチェックしながら行う完璧な1レップを体が疲労しない程度にトレーニングするように心がけます。運動神経系を鍛える鍵を握るのは反復練習です。楽器の練習や車の運転と同様に何度も繰り返して練習することで技術を習得していくのと同じです。

他にもいくつか注意点があるので、下記に筋力を鍛えるために守るべき10個のルールをまとめておきます。

  1. レップ数を少なくし(1~3)、筋肉が疲れる前に止める。セット間では十分な休憩を取る。
  2. 同じ動作をひたすら繰り返す。
  3. バランスを取るエクササイズや制的ホールドをトレーニングし、筋肉間の協働力全身の張力を開発する
  4. トレーニング中はバーを強く握るなどして、体を引き締めて緊張させる。
  5. 負荷をかける前に息を吸い、負荷がかかっているときに息を吐き出す
  6. 関節可動域を最大限まで使ってトレーニングすることで腱を鍛える。
  7. グリップ、腹部、ウエストと脊柱、体の側部を優先的に鍛える
  8. 困難なエクササイズをやる前にはウォーミングアップを十分にする
  9. 素早く爆発的に動くエクササイズを取り入れる
  10. メンタル(高揚感、信念、モチベーションなど)をコントロールしてトレーニングを高いレベルに持っていく

9番の素早く爆発的に動くエクササイズは「プライオメトリクス」とも呼ばれています。たとえばクラッピング・プッシュアップや、ジャンプしてボックスから降り、すぐにジャンプしてボックスに戻るというような動作です。

詳しくはこのシリーズの3冊目「プリズナートレーニング 実戦!!!スピード&瞬発力編 爆発的な強さを手に入れる無敵の自重筋トレ」を参照してみてください。

このルールを守ってトレーニングすれば豹のようなしなやかで力強い体が手に入るでしょう。

筋肉を鍛えるための10のルール

反対に筋肉を付けたいのであれば、とことん筋肉を疲労させる必要があります。人間の体は筋肉細胞内にある化学エネルギーがゼロに近づくと、さらに多くの化学エネルギーを蓄積・生成することができるように筋細胞を変質させようとします。

この過程で筋肉が増加していくのです。エクササイズに強度が無いと、脂肪酸など他の貯蔵物質からエネルギーが生成されることになり、筋肉細胞内にある化学エネルギーは多く消費されません。

なので、体内のエネルギー値が危険なほど下がって「もっとエネルギーをたくさん使える体にしたい!」と体が切望するくらいハードなワークを行う必要があります。

その他、筋肉を鍛えるトレーニングを行う際に守るべきルールは下記のとおりです。

  1. 厳格なフォームで最大限に負荷をかけつつ行う1レップを増やしていく。
  2. 限界を突き破るくらいハードにレップ数を増やしていく。
  3. シンプルな複合エクササイズ(複数の筋肉群を対象としたエクササイズ)を選ぶ。
  4. セット数を増やさない。2セット程度にとどめておく。
  5. わずかな進歩を記録するトレーニングジャーナルを毎回書き続ける
  6. 筋成長を促すため、休息を十分に取る。同じ部位を2日連続、もしくは週2回を超えてトレーニングしない。
  7. 高カロリーなジャンクフードを適度に摂取する
  8. 睡眠時間を十分に確保する
  9. トレーニングが継続できるようにメンタルトレーニングをする
  10. 筋成長を継続させるために、定期的に筋力(運動神経系)も鍛える

とにかくセット数を抑えて限界を超えるレップ数を増やしてトレーニングするのがポイントです。1セットでエネルギーを消耗しつくし、動けなくなるくらいハードにトレーニングします。逆に言うと、セット数が増やせるということはレップ数が足りない証拠です。

そこまでエネルギーを消耗しつくすと体に悪影響が出そうですが、どれだけ鍛えようが十分な睡眠と休息でバランスを取れば体が壊れるなんてありえないのです。

追加するべきエクササイズ

自分の体重を使って筋肉を増やすために、具体的に何をすればいいか。その答えはこのシリーズの1冊目「プリズナートレーニング 圧倒的な強さを手に入れる究極の自重筋トレ」に書かれているビッグ6と呼ばれるエクササイズです。

ビッグ6を正しくフォームでハードにトレーニングしていれば全身に筋肉を付けることができるのでこれだけで十分なのですが、特定の部位を鍛えたい場合はメニューにプラスすればより効果が高まるエクササイズがあります。

ここではビッグ6にプラスして取り入れるべきエクササイズの中から、主なものを部位別にご紹介します。

大腿四頭筋

大腿四頭筋を鍛える最高のエクササイズはビッグ6のマスターステップである、ワンレッグスクワットです。これが基本で、余裕があれば「爆発的ジャンプ」もしくは「̪シシー・スクワット」を追加します。

爆発的ジャンプにはボックス・ジャンプやデッド・リープなどいろいろと種類があり、垂直ジャンプは素早くやるスクワットと同じ動きになります。

これをトレーニングすれば、大腿四頭筋はもちろんのことハムストリング、ふくらはぎ、臀部、ウエストなど下半身のほぼ全ての筋肉を鍛えることができます。

もっとも効果的なメニューは20レップスのワンレッグ・スクワット2セットに60cmの高さを目指す垂直ジャンプを5セット(1セットあたり1~3レップス)プラスしたものになります。

シシー・スクワットは大腿四頭筋を鍛えるエクササイズとして古くから通常のスクワットと並行してトレーニングされてきました。アーノルド・シュワルツェネッガーのトレーナーが弟子たちに進めていたエクササイズとしても有名です。

やり方は①バランスを取るために片手で安定した対象物を掴む、②つま先立ちになる、③股関節を曲げないように気を付けながら膝を曲げていく(膝が地に向かって沈んでいく一方で体が後方にのけぞっていく)、です。

体を沈み込ませる過程で負荷のほとんどが膝に集中するので、90度以上膝を曲げないようにするのがポイントです。定期的に20レップスのシシー・スクワットを2セット程度トレーニングしていけば大腿四頭筋が急激に発達していくことが実感できるはずです。

ふくらはぎ

ふくらはぎに筋肉を付けたいのであれば、ビッグ6のスクワット(特に体を深く沈みこませるワンレッグ・スクワット)と2冊目の「プリズナートレーニング 超絶‼グリップ&関節編 永遠の強さを手に入れる最凶の自重筋トレ」で紹介されていたカルフレイズをトレーニングすることです。

ふくらはぎは体を運ぶという動作を何年間も毎日、途方もない数繰り返してきた筋肉であり、トレーニングで肥大化させるにはほかの部位にはない独特のポイントがあります。

それは、「数百レップといった高レップスが必要」であることと、「ゆっくり行うエクササイズと、爆発的に行うエクササイズをミックスさせて行う」です。

爆発的に行うエクササイズの例としては、体を沈み込ませてスクワットし、全身のバネを使って上方に向かって爆発的にジャンプし、ピークポイントで膝をできる限り胸に向かって引いてたくし込んだ後、脚を伸ばして着地するという「タック・ジャンプ」があります。

特におすすめなのは「丘スプリント」です。やり方は簡単で、丘の底から頂上に向かって全速力で駆け上がるだけです。田舎や郊外にある険しい丘がないとトレーニングできませんが、大きなビルやスポーツアリーナなどにある長い階段でも代替できます。

ポイントは、決して頂上から底に向かって駆け降りないようにすることです。膝関節に負担がかかるうえに、転倒のリスクが高いからです。頂上に着いたら歩いて底まで戻りましょう。

空手やボクシングの夏合宿などで神社にある長い階段を駆け上がっている光景を見たことがあるかもしれませんが、自分の体重を上向きに早く運ぶには膨大なエネルギーと筋力が必要にるため、この丘スプリントは特に戦闘系のアスリートに人気があるようです。

まずは、体を深く沈みこませるワンレッグ・スクワットを片足あたり20レップス程度できるようになることを目標とし、さらにふくらはぎを責めたいならば、100レップス程度のカルフレイズと丘スプリントをミックスさせてトレーニングするのがいいでしょう。

上腕二頭筋

膨れ上がった力こぶは男の強さの象徴です。男であれば、一度は憧れを抱くのではないでしょうか。力こぶを作り出すのは上腕二頭筋と呼ばれる筋肉で、ここを鍛えるベストエクササイズは「チンアップ」と「ロープ登り」です。

ビッグ6の一つに主に背中を鍛える「プルアップ」というエクササイズがありますが、チンアップはアンダーハンド(逆手)で行うプルアップのことです。プルアップは掌が外側を向くのに対し、チンアップは掌が自分の顔の方に向きます。

プルアップも上腕二頭筋を強力に鍛える優れたエクササイズですが、上腕二頭筋を大きくしたいなら、チンアップの方が効果的です。トレーニングの際は両手の間隔を狭めていけばいくほど上腕二頭筋にかかる負荷が大きくなります。

最終的にはプルアップと同様に片手で行う、ワンアームチンアップを目指します。

ロープ登りについては、その名の通り高い所からぶら下がっているロープを登っていくだけです。シンプルですが、上腕二頭筋と前腕を成長させるための一級のトレーニングになります。下記のように漸進的に強度を高めていくことが可能です。

①腕と脚を使って登り降り
②腕と脚を使って登り腕だけで降りる
③腕の力だけで登り降り
④地面に座ってLホールド(上半身と下半身が直角になるように両足を伸ばし、背筋を伸ばした状態で固定する)をキープしたまま腕の力だけで登り降り

ロープ登りをトレーニングするには全体重を支えられるような太いロープと、そのロープを垂らす場所が必要です。アスレチックや一部の公園などにあるかもしれませんが、やる場所が限定されるエクササイズでもあります。

上腕三頭筋

上腕二頭筋の裏側の筋肉である上腕三頭筋についてはも、集中的に鍛えるエクササイズがいくつか紹介されていますが、まずは腕に体重が最高度にかかる、

  • プッシュアップ(特にワンアームプッシュアップ)
  • ハンドスタンドプッシュアップ
  • デイップス

の3つのエクササイズを高レップ数こなせば十分だと結論付けています。この3つにさらにもうプラスして付け加えるのであれば、タイガーベンド・プッシュアップ、タイガーベンド・ハンドスタンド・プッシュアップ、ボディウエイト・エクステンションズのなかから選べばいいでしょう。

胸筋

胸筋を大きくするエクササイズの王道はプッシュアップです。プッシュアップには非常に多くのバリエーションがあるうえに、手の置き場所や態勢を変えることで、負荷や鍛える部位を自由にコントロールすることができます。胸筋だけではなく、肩や腕、背中まで鍛えることができる、上半身の総合エクササイズです。

プッシュアップさえトレーニングしていれば巨大な胸筋を作り上げることは可能なのですが、「胸筋を肥大化させる」という点にのみ焦点を当てて考えると欠点があります。一つはやり方によっては負荷を腕や肩に流すことが可能である点です。

負荷が腕や肩に分散するとその分、胸筋への負荷が減るため、トレーニングする割には胸筋が大きくならないという事態になります。また、両脚を地面につけて行うので、その分負荷も小さくなります。

2つ目は胸筋の筋繊維の大部分が外方向ではなく、下方向に角度を付けているので、プッシュアップのように体を前方に押し出す動作よりも、押し下げる動作の方がより胸筋の力を発揮できるという点です。

これらの問題点を解決するエクササイズが1本の水平バーを使って行う「ホリゾンタルバーディップス」です。やり方は下記のとおりです。

  1. 水平バーを握って上半身をバーの上に引き上げる
  2. そこから腕を曲げ体を沈み込ませる
  3. 限界まで沈み込んだら、腕を伸ばして体を引き上げる

この1~3の動作を繰り返します。脚が地面から離れた状態で行うため、胸筋や肩、前腕にかかるストレスが大きくなります。また、体を押し下げる動作になるので、胸筋をより発達させられます。

通常のディップスは2本の水平バーの間に入り、体の横にある左右のバーをそれぞれの手で掴んで体を押し下げる動作を繰り返しますが、この方法だと広背筋も押す動作に参加することになります。

両手が前に来るホリゾンタルバーディップスであれば、押す動作への広背筋の関わりが小さくなるので、より胸筋に負荷がかかることになります。

最初のうちは水平バーを掴んでバランスをとることすら困難ですが、2桁のホリゾンタルバーディップスができるころには胸筋は大きく発達しているはずです。

ちなみに、胸筋と一口にいっても大胸筋や小胸筋の他、呼吸の際に肺を膨らませる役割を担っている助間筋、鋸筋、横隔膜などの呼吸筋群があります。ピンポイントで小胸筋を鍛えたいのであれば「ハンギング(ぶら下がり)」、呼吸筋群を鍛えたいのであれば「ディープブレス」がおすすめになります。

ハンギングは握力を付けるのに最高のエクササイズで、やり方の詳細はこのシリーズの2冊目「プリズナートレーニング 超絶‼グリップ&関節編 永遠の強さを手に入れる最凶の自重筋トレ」に書かれています。

ディープブレスは限界まで肺に息を吸い込んで吐くという、簡単に言えば深呼吸のことです。呼吸については専門的な本が何冊も出版されているほど、奥が深いものですが、ここでの目的はブリージング法をマスターすることではなく、あくまで呼吸筋群を鍛えることなので、それほどやり方にこだわる必要はないでしょう。ここでは割愛しますが、本書でも簡単なやり方が紹介されています。

プッシュアップとホリゾンタルバーディップスに加えてこの2つをトレーニングすれば、さらに胸筋の厚みが増していくでしょう。

背中

背中の筋肉は大きく分けて下記の4つで構成されています。

  1. 上背部:僧帽筋
  2. 中背部:三角筋後部、菱形筋、肩甲骨筋
  3. 背側部:広背筋
  4. 下背部/脊柱:脊柱起立筋

ビッグ6のプルアップ、ハンドスタンド・プッシュアップ、ブリッジをトレーニングすればこれらは全てカバーできます。付け加えるとしたら、2の中背部を鍛える、「ホリゾンタル・プル」と、4の下背部/脊柱を鍛える「ゲッコー・ブリッジ」(フロントレバーかバックレバーでもOK)の2つです。

ホリゾンタル・プルは低い水平バーや水平な対象物に手をかけ、体をその下に潜り込ませて行うプルアップのことです。ビッグ6のプルアップシリーズのStep2に組み込まれているものと同様です。

水平バーに完全にぶら下がって体を上方向に引き上げる通常のプルアップは、広背筋への負荷が大きい反面、中背部への効きが若干弱くなります。このホリゾンタル・プルは中背部に強く働きかけます。通常のプルアップのトレーニングが軌道に乗ったらこのホリゾンタル・プルをメニューに加えるといいでしょう。

もう一つのゲッコー・ブリッジは、片手と、反対側の片足で体を支えるブリッジのことです。両手両足の地面につけて行う通常のブリッジに比べて負荷が大きくなります。

床面から体を押し上げたり、押し下げたりする動的なゲッコー・ブリッジにすればさらに、負荷が大きくなります。ちなみにビッグ6にもブリッジシリーズがありますが、このゲッコー・ブリッジは含まれていません。

ブリッジシリーズは脊柱周りの深層筋、下背部の筋肉、バランス力を鍛え、椎間板を怪我から守る非常に大切なエクササイズですが、脊柱筋を構築することを主目的とするならばゲッコー・ブリッジがベストエクササイズとなります。

首と僧帽筋

首と僧帽筋を鍛えるのであれば、ビッグ6のブリッジ、あるいはハンドスタンドプッシュアップのシリーズに含まれているハンドスタンドやヘッドスタンドが有効です。

特にハンドスタンドがおすすめです。ハンドスタンドとは倒立(逆立ち)のことで、首と肩の間にある僧帽筋上部を鍛えるのにうってつけのエクササイズです。ハンドスタンドから進んで逆立ち歩きができれば僧帽筋を全方向から開発できます。壁に寄りかかって行うウォール・ハンドスタンドでOKです。

これに付け加えるとしたら、「ハンドスタンド・シュラッグス」です。壁に向かって逆立ちになり、肩をすくめるという動作です。ジムにいるボディビルダーが肩を鍛える時、ダンベルやバーベルを掴んで肩をすくめる動作を繰り返すトレーニングをしたりしますが、それを逆立ちになり、体重を使って行うと思えばわかりやすいかもしれません。

深くゆっくりとした動作で行うのがポイントですが、最初は浅くしかできなかったとしても問題ありません。徐々に深くしていき、最終的には可動域いっぱいのシュラッグスを20レップス2セット程度できるようになるのが目標です。

なお、首を太くしたいならボクサーやレスラーといった格闘家たちが紀元前からトレーニングしてきたレスラーブリッジがベストエクササイズとなります。

プリズナートレーニング 超絶‼グリップ&関節編 永遠の強さを手に入れる最凶の自重筋トレ」で詳しく紹介されており、これに付け加えるものは特にありません。

テストステロンを増やすための6つのルール

筋肉を構築する上で、トレーニング内容と同じくらい重要なのが男性ホルモンの一種である「テストステロン」です。テストステロンは筋肉を付けるホルモンです。

このテストステロンの値が低いと、どれだけトレーニングしても筋肉は肥大していきません。太陽光が弱い真冬のスコットランドで一日中日光浴をしても小麦色の肌が手に入らないのと同じです。

女性が男性と同じトレーニングメニューをこなして、同じ食事を摂ったとしても、男性と同じ量の筋肉は付きません。それは、女性のテストステロン濃度が通常、男性の10分の1であるためです。

つまり、大きく筋肉質な体を手に入れ、その筋肉を維持したいならば、テストステロンの血中濃度を上げることが最重要課題となります。そして、そのために守るべきルールが下記の6つです。

  1. ハードにトレーニングする
  2. 長く深い睡眠を確保する
  3. 太りすぎない
  4. コレステロールを摂る
  5. タバコ、アルコール、ドラッグなどをやらない
  6. ステロイドを使用しない

まずハードなトレーニングについてですが、もともと人間の体は生命を効率良く維持するために、エネルギーを節約するようにできています。一日中ソファに寝転がって生活しているのに、わざわざ余分なテストステロンを生成して不要な筋肉をつけたりしません。エネルギーを消耗しないようにできているのです。

体が悲鳴を挙げるくらい過酷なトレーニングを行うと、体はその状況に適応しようとしてテストステロンが生成されるのです。

また、十分な睡眠も必要です。睡眠には疲労回復のための深い眠りである「レム睡眠」(REM(Rapid Eye Movement) sleep)と、脳が活発に働き記憶の整理や定着が行われれる「ノンレム睡眠」があることは良く知られています。

そして、テストステロンの生成はレム睡眠の時にピークになります。眠りについた最初の数時間はレム睡眠が比較的短く、睡眠時間が長ければ長いほどノンレム睡眠の時間が増え、目覚めるまでその状態が続きます。つまり、睡眠時間が長いほうがより多くのテストステロンが生成される時間帯が増えるわけです。

ではどれくらいの睡眠時間が必要かというと、ハードにトレーニングしているのであれば一般的に言われている6~8時間では足りないようです。このあたりは個人差があるので、一概には言えませんが基本的には眠れるのであれば、眠れるだけ眠るのが正解だと本書には書かれています。

食事について気を付けるべき点は、テストステロンの原料となるコレステロールを積極的に摂ることです。具体的には、ハム、卵、ソーセージ、チーズなどです。コレステロールは動脈硬化の原因になると敬遠されがちですが、テストステロンの生成には必要です。

ただし、体に脂肪が付きすぎるまで摂取すると逆効果になります。なぜなら脂肪は体内にあるテストステロンを女性ホルモンであるエストロゲンに変換する働きを持つアロマターゼという酵素を作り出すからです。

なので、体に脂肪が付けば付くほどテストステロンの血中濃度が下がります。太っている男性のテストステロン値が低いのはこのためです。脂肪が付き、テストステロン値が下がる→ますます筋肉が付きにくくなる→代謝が悪くなる→脂肪が付きやすくなる・・・という悪循環に陥ってしまいます。

タバコやアルコールにもテストステロンを減らす働きがあるので要注意です。タバコを吸うと体内に一酸化炭素が入ってきますが、この一酸化炭素がコレステロールをテストステロンに変換する能力を阻害します。

ちなみにアルコールを飲みすぎると肝臓に負担をかけますが、肝臓は女性ホルモンのエストロゲンの量を制限する酵素を生成しています。肝臓がやられるとエストロゲンの量を制限できなくなるのです。

最後のステロイドについては、筋肉を付けるためにボディビルダーが使用することがありますが、アメリカなどとは違い日本ではあまり馴染みが無いかもしれません。

ステロイドは言ってみれば人工的に生成されたテストステロンです。これを飲んでトレーニングすれば大きく肥大した筋肉が簡単に手に入るのですが、問題なのはステロイドを使うと自前でテストステロンを生成する能力が衰える点です。

テストステロンの大部分は睾丸で生成されていますが、ストロイドを常用しているとこの生成機能が衰え、破壊されていきます。睾丸も委縮していき、長期間常用し続けていると、自前でテストステロンが全く生成されなくなります。

そして、あるところまでホルモン系が傷つくと機能は回復しなくなります。こうなると、一生、ステロイドに依存しなければならなくなります。

まとめると、ハードにトレーニングし、コレステロールを多く含む食品と10時間くらいの十分な睡眠を摂り、アルコール・タバコ・ドラッグなどをやらない生活を送ればいいということです。

社会人にとってはトレーニングの時間を確保したり、毎日十分な時間の睡眠時間を確保するのは難しいかもしれません。しかし、テストステロンの血中濃度を上げるにはこういった健康的な生活が効果的なようです。

さらに・・・

他にもQ&A形式で筋肉を付けるためのトラブルシューティングとして下記のような疑問に対する答えが書かれています。

  • 痩せていて体重を増やすことが本当に難しい。筋肉どころか脂肪すらつかない。
  • 筋肉だけではなく身長も伸ばしたいが、自重力トレーニングでそれは可能か
  • 40歳を超えてから筋肉を増やすにはどうすればいいか。
  • 膝関節に負担をかけずに脚の筋量を増やすコツ。
  • トレーニングジャーナルはどのように書いて行けばいいか。

興味があればぜひ読んでみてください。

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